形態素解析
テキストを最小の意味単位 (形態素) に分割し、品詞や読みなどの情報を付与する処理。
形態素解析は、自然言語処理 (NLP) の基礎技術で、テキストを最小の意味単位である形態素に分割し、各形態素に品詞・読み・原形・活用形などの情報を付与する処理です。日本語のように単語間にスペースがない言語では、テキスト処理の最初のステップとして不可欠な技術です。
形態素解析の仕組みは、辞書と統計モデルの組み合わせに基づいています。解析エンジンは入力テキストに対して可能な分割パターンを列挙し、コスト関数 (ビタビアルゴリズムなど) を用いて最も自然な分割を選択します。たとえば「東京都に住んでいる」を解析すると「東京 (名詞)/都 (名詞)/に (助詞)/住ん (動詞)/で (助詞)/いる (動詞)」のように分割されます。自然言語処理入門の書籍で形態素解析の仕組みを学べます。
代表的な形態素解析エンジンには、MeCab (C++ 実装、高速)、kuromoji (Java 実装、Elasticsearch で採用)、Sudachi (Java 実装、複数の分割粒度に対応)、Janome (Python 実装、インストールが容易) などがあります。それぞれ使用する辞書 (IPAdic、UniDic、NEologd など) によって分割結果が異なり、新語や固有名詞の認識精度に差が出ます。
形態素解析の活用場面は多岐にわたります。検索エンジンのインデックス作成では、文書を形態素に分割してから転置インデックスを構築します。文字数カウントツールでの単語数算出、感情分析の前処理、キーワード抽出、文書要約、機械翻訳の前処理など、テキストを扱うほぼすべてのアプリケーションで基盤技術として使われています。
よくある課題として、未知語 (辞書に登録されていない単語) の処理があります。新しい固有名詞、造語、スラングなどは辞書に含まれないため、誤った分割が行われることがあります。この問題に対処するため、NEologd のような新語辞書を追加したり、ユーザー辞書を作成して特定ドメインの用語を登録したりする方法が一般的です。
英語ではスペースで単語を区切れるため形態素解析の必要性は低いですが、日本語・中国語・韓国語 (CJK) では不可欠な技術です。中国語では jieba や THULAC、韓国語では KoNLPy などの解析ツールが使われています。文字数カウントの観点では、形態素解析を用いることで「文字数」だけでなく「単語数」を正確に算出できます。日本語の文章で「この文は何単語か」を判定するには形態素解析が必要であり、文字数カウントツールの高度な機能として活用されています。形態素解析実践の書籍で実装方法を習得できます。