最終更新:
読書感想文の書き出し例 - 学年別 15 例文と 5 つの型
読書感想文の書き出しに迷ったら、「型」を借りるのが最短です。使いやすい型は「印象的な場面から入る」「問いかけから入る」「本を選んだ理由から入る」「自分の本音から入る」「読んだ後の変化から入る」の 5 つ。書き出しの分量は全体の 1 割前後 (800 字の感想文なら 80〜100 字) が目安です。この記事では 5 つの型の使い分けと、学年別の書き出し例文 15 本、やってしまいがちな NG 例の直し方を紹介します。
書き出しの型は 5 つ - まずどれで始めるか決める
白い原稿用紙を前に「最初の一文」から考え始めると手が止まります。先に型を選び、その型に自分の本を当てはめる順番にすると、書き出しは一気に楽になります。
| 型 | 最初の一文のイメージ | 向いている人 |
|---|---|---|
| 1. 印象的な場面・セリフから入る | 「本の中の一場面やセリフ」をいきなり書く | 心に残ったシーンがはっきりある人 |
| 2. 問いかけから入る | 「もし自分だったらどうするだろう」と読者に問う | 本のテーマについて考えたことがある人 |
| 3. 本を選んだ理由から入る | 表紙・題名・すすめられた経緯など選んだきっかけを書く | 本選びに小さなドラマがあった人 |
| 4. 自分の本音から入る | 「実は読む前は気が進まなかった」など正直な気持ちを書く | 読む前と後で印象が変わった人 |
| 5. 読んだ後の変化から入る | 「読み終わってから、〜するようになった」と結果から書く | 本が行動や考えを変えた実感がある人 |
どの型にも共通するコツは、あらすじではなく「自分」から始めることです。あらすじは本文の中で必要な分だけ書けば十分で、読書感想文の文字数ガイドで解説しているとおり全体の 15〜20% に抑えるのが基本です。
小学校低学年 (1〜2 年) の書き出し例文
低学年は難しい言い回しより、素直な気持ちがそのまま出ている書き出しが読み手に伝わります。話し言葉に近くてかまいません。
- 型 1 (場面から): 「スイミーが、大きな魚の目になったところで、わたしは思わず『すごい』と言ってしまいました。」
- 型 3 (選んだ理由から): 「ひょうしの犬が、うちのポチにそっくりでした。それでこの本をえらびました。」
- 型 5 (変化から): 「この本を読んでから、わたしは夜ごはんのおてつだいをするようになりました。」
小学校中学年 (3〜4 年) の書き出し例文
中学年では「気持ちの理由」まで一歩踏み込むと、書き出しから本文に自然につながります。
- 型 1 (セリフから): 「『ごん、おまいだったのか。』この一文を読んだとき、むねの奥がぎゅっとなりました。どうしてもっと早く気づいてあげられなかったのだろうと思ったからです。」
- 型 2 (問いかけから): 「友だちのために、自分の大切なものをあげられる人は、どれくらいいるでしょうか。ぼくは正直、自信がありません。」
- 型 4 (本音から): 「本当のことを言うと、この本は読む前、字が多くていやだなと思っていました。でも、読み始めたら止まらなくなりました。」
小学校高学年 (5〜6 年) の書き出し例文
高学年になると、体験や社会の出来事と結びつけた書き出しが評価されやすくなります。一文目を短く言い切ると、続きが読みたくなる書き出しになります。
- 型 2 (問いかけから): 「『当たり前』は、本当に当たり前なのだろうか。この本を読み終えた今、私は毎朝の食事や学校に行けることを、前と同じ気持ちでは見られなくなっている。」
- 型 4 (本音から): 「最初の 30 ページまで、私は主人公のことが好きになれなかった。自分勝手に見えたからだ。それなのに、最後のページでは主人公を応援していた。」
- 型 5 (変化から): 「この本を読んでから、私は妹とけんかをしたとき、先に『ごめん』と言えるようになった。たった一冊の本が、五年間できなかったことをさせたのだ。」
中学生の書き出し例文
中学生の感想文 (目安 2,000 字) では、書き出しで「この感想文が何について考えた文章なのか」を示せると、全体が引き締まります。
- 型 1 (場面から): 「メロスは走った。ただ友を裏切らないためだけに。私はこの単純さがうらやましかった。私なら走る前に、間に合わなかったときの言い訳を考えてしまうからだ。」
- 型 2 (問いかけから): 「正直であることと、優しくあることは、両立できるのだろうか。この本の主人公は、そのどちらも捨てられずに苦しみ続ける。」
- 型 3 (選んだ理由から): 「この本を手に取ったのは、部活の顧問の『負けた日に読め』という一言がきっかけだった。地区大会で敗退した日の夜、私は本当にこの本を開いた。」
高校生の書き出し例文
高校生では、本のテーマを自分の言葉で言い換えた「仮の結論」を書き出しに置き、本文で検証していく構成が書きやすく、読みごたえも出ます。
- 型 2 (問いかけから): 「大切なものは目に見えない、という有名な言葉を、私はずっと分かったつもりでいた。だが本当に分かっている人間は、この言葉を引き合いに出さないのではないか。」
- 型 4 (本音から): 「課題図書だから読んだ。動機はそれだけだった。だから、読み終えて時計を見たら深夜二時だったことに、誰よりも自分が驚いている。」
- 型 5 (変化から): 「読み終えてから一週間、私はこの本の登場人物の目で自分の教室を眺めている。同じ教室が、先週までとは違う場所に見える。」
書き出しは何文字書けばいいか
書き出し (導入部) の分量は、感想文全体の 1 割前後が目安です。長すぎる導入は本題の感想に使える文字数を圧迫します。
| 感想文全体 | 書き出しの目安 | 学年の目安 |
|---|---|---|
| 800 字 (原稿用紙 2 枚) | 80〜100 字 (2〜3 文) | 小学校低学年 |
| 1,200 字 (原稿用紙 3 枚) | 120〜180 字 (3〜4 文) | 小学校中学年・高学年 |
| 2,000 字 (原稿用紙 5 枚) | 200〜300 字 (4〜6 文) | 中学生・高校生 |
下書きの段階で書き出しが何文字になっているかは、文字数カウントスに貼り付ければすぐ確認できます。原稿用紙に清書したときの実枚数 (句読点 1 マス・ぶら下げ対応) もあわせて表示されるので、「書き出しだけで 1 枚目の半分を使ってしまった」といった配分ミスを清書前に防げます。原稿用紙での句読点や改行の数え方は作文の文字数の数え方で詳しく解説しています。
避けたい書き出しと直し方
減点されるわけではありませんが、次の書き出しは「その先を読みたい」と思わせる力が弱く、もったいない始め方です。
| NG パターン | Before | After (直し方) |
|---|---|---|
| あらすじから入る | 「この本は、〜という男の子が、〜する話です。」 | いちばん心が動いた一場面だけを切り出す (型 1) |
| 定型文だけで終わる | 「ぼくは『〇〇』という本を読みました。おもしろかったです。」 | 「読みました」の後に「なぜその本だったのか」を続ける (型 3) |
| 辞書の定義から入る | 「友情とは、友だちとの間の情のことです。」 | 定義ではなく自分への問いに変える (型 2) |
注意したいのは、「ぼくは『〇〇』を読みました」という一文自体が悪いわけではないことです。低学年ならむしろ自然な始め方です。問題は、その後に気持ちや理由が続かず「おもしろかったです」で書き出しが終わってしまうこと。型 3 のように選んだ理由を 1〜2 文足すだけで、ありきたりな書き出しが自分だけの書き出しに変わります。
書き出しの次の一文で本文につなぐ
書き出しがうまく書けても、2 文目で失速する感想文は少なくありません。つなぎ方はシンプルで、書き出しで示した気持ちや問いに「なぜなら」「きっかけは」を続けるだけです。たとえば型 1 で「むねの奥がぎゅっとなりました」と書いたら、2 文目は「どうしてそう感じたのか」の説明に進みます。型 2 で問いを立てたら、「この問いについて考えるようになったのは、〜の場面を読んだからだ」と本の場面に着地させます。書き出しは着火剤、本文は薪です。書き出しで生まれた熱を、具体的な場面と自分の体験で燃やし続けましょう。文字数が足りない・多すぎるときの調整は読書感想文の文字数ガイドと文字数を減らすテクニックが役立ちます。
読書感想文の書き方に関する書籍は Amazon でも探せます。
よくある質問
- 読書感想文の書き出しは何文字くらいがいいですか?
- 感想文全体の 1 割前後が目安です。800 字の感想文なら 80〜100 字 (2〜3 文)、1,200 字なら 120〜180 字、2,000 字なら 200〜300 字。書き出しが長すぎると、本題の感想に使える文字数が減ってしまいます。
- 「ぼくは〇〇を読みました」で書き始めてもいいですか?
- その一文自体は問題ありません。特に小学校低学年では自然な始め方です。ただし「おもしろかったです」だけで終わらせず、本を選んだ理由や第一印象を 1〜2 文続けると、ありきたりにならない書き出しになります。
- 書き出しとあらすじはどう違いますか?
- 書き出しは自分の気持ちや問いから始める導入部で、あらすじは本の内容の要約です。あらすじから書き始めると、感想文全体が本の説明に傾きがちです。あらすじは本文中で全体の 15〜20% に抑えましょう。