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タイピング速度の目安 - 1 分間に何文字打てれば速い?

約 5 分で読めます

学校のタイピング練習で「1 分間に 100 文字」と言われたけど、それって速いの? 遅いの? 判断が難しいのは、タイピング速度に公的な平均値が存在しないからです。計測サイトごとに課題文の難易度も、変換操作を秒数に含めるかも違うので、同じ人が測っても数字は上下します。そこで下の表は、練習の到達段階として広く使われている区切りをまとめたものです。1 分間に 100 文字打てるなら、仕事で文書を書くのに困らない水準はすでに超えています。

タイピング速度の目安

レベル日本語 (文字/分)英語 (WPM)目安
初心者20〜40 文字10〜20 WPMキーボードを見ながら打つ
初級40〜60 文字20〜30 WPMゆっくりだが打てる
中級60〜80 文字30〜50 WPM仕事で困らないレベル
上級80〜120 文字50〜80 WPMタイピングが得意な人
プロ級120〜200 文字80〜120 WPMプログラマー、ライター
競技レベル200 文字以上120 WPM 以上タイピング大会の上位

WPM は「Words Per Minute」(1 分間の単語数) で、英語のタイピング速度の単位です。ここで注意したいのは、WPM の「1 語」が辞書的な単語ではないことです。語の長さがばらつくと速度を比べられないため、計測では 1 語 = 5 打鍵 (スペースや句読点も含む) と決めて数えます。この約束では「I run」は 1 語ですが、「rhinoceros」は 2 語として扱われます。だから 50 WPM は 250 打鍵/分という意味になります。一方で日本語は打鍵数ではなく確定した文字数で測るので、同じ人の WPM と「文字/分」を直接引き算しても意味がありません。表の左右の列は、あくまで体感の近い段階を並べたものです。

日本語と英語のタイピングの違い

項目日本語 (ローマ字入力)英語
1 文字に必要なキー数平均 2〜3 キー1 キー
変換操作必要 (スペースキー + Enter)不要
入力方式ローマ字 → ひらがな → 漢字そのまま
100 文字入力のキー数約 250〜350 キー (変換・確定を含む)約 100 キー

日本語の「漢字」を 1 文字入力するには、ローマ字を打って変換して確定する必要があります。「東京」(2 文字) なら「toukyou」の 7 打にスペースと Enter を足して 9 打。英語の「Tokyo」は 5 打で済みます。かな 1 文字あたりの打鍵は 2〜3 打なので、100 文字なら素の打鍵で 200〜300 打、そこに文節ごとの変換・確定が積み上がって 250〜350 打に届く、という内訳です。日本語のタイピングが英語より遅く見えるのは、この変換プロセスの分が数字に出ないからです。逆に言えば、変換候補が一発で決まる語を選ぶ・辞書登録するといった工夫は、打鍵練習と同じくらい速度に効きます。

タイピング速度と作業時間の関係

タイピング速度読書感想文 2,000 字レポート 5,000 字小説 1 冊 10 万字
40 文字/分50 分2 時間 5 分約 42 時間
80 文字/分25 分1 時間 3 分約 21 時間
120 文字/分17 分42 分約 14 時間
200 文字/分10 分25 分約 8 時間

タイピング速度が 40 文字/分から 80 文字/分に上がるだけで、作業時間が半分になります。読書感想文の文字数ガイドで紹介した 2,000 字の感想文も、80 文字/分なら 25 分で入力できます (考える時間は別ですが)。

タイピング速度を上げる方法

方法効果おすすめ度
ホームポジションを覚える基礎中の基礎、全ての土台必須
タイピングゲームで練習楽しみながら速くなる高い
キーボードを見ない練習ブラインドタッチの習得高い
毎日 10 分の練習継続が最も効果的高い
速さより正確さを優先ミスタイプが減ると結果的に速くなる高い

スマホのフリック入力との比較

入力方法速さを決めているもの得意な場面
PC キーボード (ローマ字)指の動きと変換操作。練習で伸びる幅が最も大きい長文、レポート、プログラミング
スマホ フリック入力1 文字ごとに指を上下左右へ振る距離。両手でも 2 本指短文、LINE、SNS
スマホ 音声入力話す速さそのもの。加えて誤変換を直す手間長文の下書き
手書き字を書き終えるまでの運筆。速く書くと崩れるメモ、署名、図の書き込み

この 4 つを「1 分間に何文字」で横に並べた表はよく見かけますが、そろえて測った公開データはほとんどありません。参考になる値として、英語圏の大規模調査ではスマートフォンでの入力速度が 2019 年時点で平均 36.2 WPM、未修正の誤りが 2.3% と報告されています。手書きは、成人が文章を写す速さがアルファベットで 1 分間に 68 字 (個人差の幅は 26〜113 字) という測定があります。ただし単位も言語も違うので、これらを日本語の「文字/分」に読み替えて比較することはできません。

音声入力が速く感じる理由は、上限が「話す速さ」で決まるからです。聞き取りやすい朗読の速さは 1 分間に 150〜160 語とされていて、練習なしでいきなり上級者並みのペースが出ます。そのかわり、誤変換の直し、句読点や改行の指示、そもそも声を出せる場所かという制約が乗るので、下書き向きの道具です。フリック入力に慣れている人も、キーボードは指の使い方が別の技能なので、そこは慣れの持ち越しが効きません。レポートや長文を扱う場面が増えるほどキーボードの速さが効いてくるので、早めに手元を見ないで打つ練習を始めておくと後で楽になります。

世界のタイピング速度記録はどこまで確かか

区分速度備考
プロのタイピスト (英語)43〜80 WPM職種によっては 80〜95 WPM を求められる
上級者 (英語)120 WPM 超15 秒程度の短い測定では 300 WPM を超える例もある
速記機 (ステノタイプ)360 WPM精度 97.23% でギネス世界記録に認定
通常のキーボードの「世界記録」公認記録なしギネスは 1987 年版以降この種目を掲載していない

最後の行が意外に思えるかもしれません。英語タイピングの「世界記録」は数字つきで広く引用されていますが、公認記録として扱えるものは今のところ存在しません。ギネス世界記録は 1976〜1986 年版で、ドヴォラック配列の打ち手 Barbara Blackburn を「170 WPM に達する」「145 WPM を 55 分間維持」として掲載していました。しかし記録の正確さに疑義があるとして、1987 年版以降は電子式キーボードのタイピング速度そのものを掲載対象から外しています。本人が申告したピークは 212 WPM で、これは 1 分間に約 1,060 打鍵、1 秒あたり 18 打に近い速さです。ネット上で見かける「世界記録は ◯◯ WPM」という値は、この空白を自己申告や計測サイトの順位表が埋めた結果で、機関が認定したものではありません。日本語の競技タイピングも事情は同じで、大会や計測サイトごとに課題文と数え方が違うため、別々の順位表の数字を横に並べても比較にはなりません。公認記録として残っているのは、専用の速記機を使う 360 WPM だけです。

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